よろしかったでしょうか?(さるさる日記より移行)

最近気になる言葉のひとつである。「〜でよろしかったでしょうか?」
客商売において不自然な流れでこの言葉が多用されている。
多分、初めに使い出したのはファーストフードの店だろう。
通常この言葉は前に尋ねたことを確認する意味で使われるが現在多用されている
使われ方は文脈が違う。本来ならば「〜でよろしいでしょうか?」と
言うべきところでこの言葉を使っているのである。
客と店の従業員の間を遠ざけるための言葉であろう。
例えばあなたがハンバーガーを20個注文したとしましょう。
以前のマクドナルドのマニュアル応対であれば「こちらでお召し上がりですか
お持ち帰りですか?」今はきっと「お持ち帰りでよろしかったでしょうか?」
 これについては思い出した話がひとつある。数年前にどこかの雑誌の対談の
中で、この状況になった人がいてその人は「ばかやろう俺にここでこれ食えって
いうのか」と怒鳴ったそうである。「マニュアルはだめだね」という話である。
僕はその点には大いに反発する。僕の知っているある人は1人でハンバーガ
10数個食ったらしいから、食うやつも中にはいるのである。
怒鳴るほうが筋違い。代表してみんなの注文をまとめていて店内で食べるかも
知れないでしょう?それはあなたの勝手な決め付けだ。そう思う。
 話を元に戻すと、これは「さっき聞いたかも知れない」事を婉曲に確認する為の
新たな手段だと思う。客は何度も同じ事を言わされるのは嫌に決まっている。
だけど確認しておかないことには話が進まない。状況に合わせた応対を
教え込むのは教えるほうも教わるほうも面倒だし手間がかかるし間違う確率は
高くなる。そうすると「〜でよろしかったでしょうか?」だけですめば
コストの節約になるわけである。
 あと数年もしたら僕もこんなこと気にしなくなるかもしれない。
だからこうやって今のうちに記録に残しておく次第である。